ジュエル通信

Vol.10
マイクオフについて

From キングのAさん(元担当ディレクター)


またも、皆さんのお時間を頂き、今回のジュエルプロジェクトで感じたり、思い出したりしたことをお伝えいたします。

このジュエルプロジェクトが立ち上がる切っ掛けとなった社内でのブレスト段階で、「収録楽曲をリスナーから募る」という考えが生まれた時、折角収録楽曲の希望を募るのなら、楽曲に対するエピソードを添えて送って貰い、そして、そのエピソードを小森さんに届けて、リスナー、ファンからの声を聞いた小森さんが今の言葉で語りかけられる場所を作ろうと思いました。

ただ、私たちは音楽の世界で小森さんと同じ時間を過ごしてきたスタッフのため、多くのリスナーに支えられて聞き続けられてきた伝説的番組の復活を手掛けることとは少し違うと感じていましたので、楽曲のエピソードを主体とした内容を語りかけるDISCをアルバムに収録しようと考え、商品構成の大きな骨格が出来上がりました。

その後、小森さんより『マイクオフ』の意図をお伺いしたときに、このスペシャルラジオ「小森まなみのジュエルタイム」は、小森さんにとっても、リスナー、ファンにとっても大変重要な場所となることが明確となりました。

そして、その収録で久々に小森さんがフラミンゴスタジオに入り、愛おしそうにそのブースに入られ、そしてずっと続けてきたであろうマイクを通して声を届ける姿を見させていただいたことは、大変貴重な経験となりました。

キングレコードとして、音楽活動としての『マイクオフ』の場所を整えることができたと感じています。
ただ、小森さんの活動には、“ラジオ”のDJという大きな主戦場があったわけですし、また、執筆家として多くの書籍を残されています。

今回、『マイクオフ』という言葉を受け取った我々に出来ることは、残された活動期間中、改めて小森まなみさんの存在を少しでも多くの方に感じて、聴いて、見ていただく機会を作ることだと考えています。
出来ることは限られているかもしれませんが、詳細が整うまで暫しお待ちいただけますと幸いです。

このコラムを執筆している段階で、新曲を含めたすべての素材が完成しています。
あとは、それらを適切な状況に整え商品化に進めると共に、私が制作担当時に存在していなかった配信で楽曲を届ける準備を行っております。
是非、楽しみにお待ちしていただけますと幸いです。

最後になりますが、2024年1月1日発生した能登半島地震では、地震規模も大きく甚大な被害が発生したほか、現在に至ってもなかなか復旧の目途が立っていないとのことが伝わってきております。
1995年の阪神淡路大震災時に被災された多くの方に勇気を届けるために制作された「YELLを君に!」や2011年に発生した東日本大震災時でも、小森さんが電波の先にいらっしゃる多くの方々に語り掛け、多くの方々に寄り添う姿を近くで見てきました。
今回能登半島地震の報を受け、小森まなみさん、ジュエルプロジェクトのスタッフと相談し、「YELLを君に!」のリリックビデオを制作し、公開いたしました。
もし、今回お届けする新曲「JEWEL~君と歩いた青春~」、そして新たに収録された「小森まなみのジュエルタイム」、そして皆さんのリクエストを参考にして編成され収録した楽曲たちと共により、少しでも皆さんの心に勇気の素元を届けることの手助けが出来ればと願っています。

キングのAさん(元担当ディレクター)